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羊皮紙 ようひし parchment

翻訳|parchment

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

羊皮紙
ようひし
parchment

古代末期から近世の初めまで,ものを書くために用いられた羊,子牛,やぎなどの皮。原名は前2世紀に羊皮紙が発明されたといわれるギリシアの都市名のペルガモンがなまったものとされている。古代に使われていた植物性のパピルスに代って,3~4世紀頃には一般化し,ことに中世を通じてコーデックス (冊子本) や巻物などの写本,多種多様の文書に用いられた。

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デジタル大辞泉の解説

ようひ‐し〔ヤウヒ‐〕【羊皮紙】

羊・ヤギなどの皮をなめして乾燥・漂白して作った書写材料。前2世紀小アジアのペルガモン地方で考案され、西洋では中世末まで使用。パーチメント

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百科事典マイペディアの解説

羊皮紙【ようひし】

羊,ヤギ,子牛などの獣皮を石灰水に浸して脱毛し,表面を削って薄くし,引っ張りながら天日で乾燥して仕上げた筆写材料。上質のものをベラムという。前190年ころ,紙が発明される以前に小アジア地方で作られたといわれ,主産地ペルガモンPergamonの名を取って,パーチメントparchmentとも呼ばれる
→関連項目

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世界大百科事典 第2版の解説

ようひし【羊皮紙】

前2世紀以前から17世紀ころまで,おもに小アジア,ヨーロッパで重要公文書,典礼書などの書写用に使われた薄手の動物皮をいう。羊皮あるいはパーチメントparchmentともいう。羊皮紙は東洋の製紙法が伝わり普及するにつれて衰退し,今日では装本材料としておもに用いられる。羊皮紙の発明は,大プリニウスによれば,前2世紀エジプトからのパピルス輸入を封じられたペルガモン王エウメネス2世が,対抗策として発明したといわれる。

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大辞林 第三版の解説

ようひし【羊皮紙】

羊・山羊・牛などの皮から毛・肉を除いて水洗いし、乾燥させたもの。古代から中世まで、書写に用いられた。羊皮。パーチメント。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

羊皮紙
ようひし
parchment

パーチメント。羊や山羊(やぎ)の皮でつくった半透明ないしは不透明な獣皮で、書写材とか印刷用紙とか製本材として使用される。それに対して、子牛の皮でつくったものをベラムvellumという。羊皮紙の起源は、ペルガモンの王ユウメネウス2世(前197―前159)の時代にまでさかのぼる。彼はエジプト王プトレマイオスと書物の収集を競ったが、エジプト王を怒らせてしまい、当時の写本の主要な書写材であったパピルスを輸出してもらえなくなった。ペルガモンでは以前から動物の皮の書写材も使っていたが、この事件のために皮の処理方法が改善され、優れた書写材がつくられるようになり、それはペルガメーナ(「ペルガモンの」という意味)とよばれるようになった。「パーチメント」とは「ペルガモン」から生まれたことばなのである。
 羊皮紙やベラムは、パピルスと比べてずっと耐久性があり、また羊皮紙などの冊子体本はパピルスの巻子(かんす)本よりはるかに扱いやすい。そのため、3世紀末から4世紀になると、西欧ではパピルスにかわって羊皮紙やベラムが主要な書写材となり、その地位は中世も変わらなかった。しかし、15世紀以降の刊本の時代を迎えると、その地位は紙にとってかわられ、羊皮紙などが使用される機会はしだいに減っていった。現在でも遺言状や証書などの書写材とか製本材として使用されることがあるが、その数は多くない。[高野 彰]
『A・エズデイル著、高野彰訳『西洋の書物』(1972・雄松堂書店)』

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図書館情報学用語辞典の解説

羊皮紙

子牛や羊,ときには山羊やその他の獣皮の毛や脂肪などを除去して作られた書写材あるいは製本材.パーチメントともいう.子牛の皮で作ったものをベラムとして区別する場合もある.製法は,生皮を石灰水でよくさらし,毛や汚れを取るためこすって薄くする.さらに表面にチョークを塗り,軽石でなめらか仕上げる.前2世紀頃からパピルスに代わる書写材として小アジアの古代都市ペルガモン(Pergamum)を中心に使用されるようになった.一説には,ペルガモンのエウメネス二世(Eumenēs II 在位 前197-前159)とエジプトのプトレマイオス五世(Ptolemaios V 前210-前181)との間の図書収集をめぐる確執から,エジプトのパピルスが禁輸となった.この事件からペルガモンでは,以前から使用されていた動物の皮革の書写材に改良が加えられ,優れた書写材となった.パーチメントの語もPergamumの形容詞形から転じたもの.羊皮紙やベラムは,パピルスに比べ耐久性や柔軟性に富み扱いやすい.そのため,4世紀頃から,中近東やヨーロッパではパピルスに代わる書写材として,15世紀以降,活版印刷術の普及による刊本の時代を迎えその地位を紙に譲るまで,主流となっていた.

出典|図書館情報学用語辞典 第4版
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世界大百科事典内の羊皮紙の言及

【紙】より

…パピルスの使用は古代エジプトに始まり,初期のギリシアやローマでも用いられた。ところがプトレマイオス王朝の時代になってエジプトはパピルスの輸出を禁止したため,小アジアを中心に羊皮紙が考案され,この羊皮紙がローマに伝えられ,ヨーロッパ中世を通じて唯一の書写の材料となった。これは羊皮をなめしたもので,現在の紙とはまったくちがう。…

【皮∥革】より

…14世紀にイタリア,フランスを経由して衣服に新しい流行が入ってくると袋物製造業は新しい刺激を受け,さまざまな形の革袋がつくられていった。 14世紀にいたるまで文書や手紙の主たる材料であった羊皮紙は,はじめ修道院内部で製造されていた。羊皮紙は,エジプトのパピルスが文書の材料として主たる地位を占めていた前4世紀にアナトリアのペルガモンで製造された。…

【コデックス】より

巻子本と対比される。4世紀に,水に弱く耐久性の乏しいパピルスによる巻物から,羊皮紙葉(フォリオfolio)を重ね合わせてとじたコデックスへと書籍形式が変化するが,これは中世キリスト教写本挿絵に急速な発展を促した。中世写本は,不透明な絵具で豪華に彩色され,挿絵も全ページにわたって描かれるようになり,板絵や壁画に匹敵する中世美術の一分野をなした。…

【装丁(装幀)】より

…パピルスはギリシア時代からヨーロッパへ入っていたが,高価であり,代用品として獣皮を薄くなめして書写材料とするようになっていった。早くから良質の紙を材料として用いることができた東洋と,主に羊皮紙やベラム(子牛の皮をなめしたもの)を書写材料とせざるをえなかった西洋とでは,書物造型の歴史も異なった経過をたどる。ヨーロッパ人による最初の紙づくりの成功は12世紀のことであり,書物の材料として一般化するには,なお数百年の歳月が必要であった。…

【図書館】より

…学術文化の面で,ペルガモンと張り合ったアレクサンドリアの人々は,貴重な書字素材であるパピルスのペルガモンへの輸出を禁止した。よってペルガモンではパピルスに代わるパーチメント(羊皮紙)の使用に踏み切った。ちなみに英語のパーチメントparchmentはペルガムムPergamumという同地のラテン名に由来する。…

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