ひづめ

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ひづめ
ひづめ / 蹄

先端を地につけて走るのに適した哺乳(ほにゅう)類のつめの一種。ひづめの基本構造は鉤(かぎ)づめに等しいが、爪壁(そうへき)(爪枝)が筒状に変化して爪底(爪蹠(そうせき)、爪床)がその筒の底を成形し、両者で直立した指の端節下部をほぼ完全に包む。爪底の後部には指球の変化したクッション状の蹄球(ていきゅう)があり、爪壁の先端と爪底が着地する際、指骨に加わる衝撃を和らげる。ひづめは多くの哺乳類にみられる鉤づめが変化したもので、典型的なものはイノシシ、シカ、ウシ、カモシカなどの偶蹄類、ウマなどの奇蹄類にみられる。ラクダ、サイ、バクなどでは蹄球が大きく、ひづめの部分が小さい。ゾウでは、円錐(えんすい)状に開いた5本の指骨の間に大きな蹄球があって足底の大部分を占め、ひづめは小さくかつ足底の外縁にあるため、一見平づめのようにみえるが、指骨端節の前面と下面を覆い爪壁の下縁と爪底を地につけて歩くため、明らかにひづめである。ひづめは大形草食哺乳類に特有のもので、重い体を支えて硬い地面を歩いたり走ったりするのに適し、指先が磨滅し、あるいは外傷を受けるのを防ぐ。[今泉吉典]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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