ヒンスベルク反応(読み)ヒンスベルクハンノウ

化学辞典 第2版 「ヒンスベルク反応」の解説

ヒンスベルク反応
ヒンスベルクハンノウ
Hinsberg reaction

第一級アミンおよび第二級アミンスルホン酸塩化物を作用させるとスルホンアミドを生成する反応第三級アミンはヒンスベルク反応を示さない.第一級アミンからのスルホンアミドのNH水素は酸性が強いためアルカリ水溶液に溶けるが,第二級アミンからのスルホンアミドはNHがないのでアルカリ水溶液に溶けない.これら,反応性の違いを利用して,第一級,第二級,第三級アミンを識別することができる.これをヒンスベルク試験とよぶ.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヒンスベルク反応」の意味・わかりやすい解説

ヒンスベルク反応
ヒンスベルクはんのう
Hinsberg reaction

ヒンスベルク試験ともいう。アミンの識別に用いられる反応。 O.ヒンスベルクにより開発 (1890) された。アミンにベンゼンスルホニルクロリドを作用させスルホンアミドとするとき,第一アミンのスルホンアミドはアルカリに可溶であるが,第二アミンのスルホンアミドはアルカリに溶けない。また第三アミンはまったくスルホンアミドを生成しない。この現象を利用してアミンを分離,識別する。また第一,第二アミンのスルホンアミドはいずれも結晶性のよい物質であるため,これらアミンの同定確認に役立つ。

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