化学辞典 第2版 「ヒ化ニッケル型構造」の解説
ヒ化ニッケル型構造
ヒカニッケルガタコウゾウ
nickel arsenide structure
組成がABと表される無機化合物にみられる典型的構造の一つ.六方晶系で空間群 P 63/cの対称をもち,単位格子中に2化学単位が含まれる.B原子は六方晶系の単位格子の格子点とc軸上1/2の点にあり,A原子は結晶軸の長さを単位として表したとき,(1/3,2/3,u)と(2/3,1/3,u+1/2)の点に存在する.uはだいたい1/4である.A原子は6個のB原子に三角柱型に囲まれるが,uが1/4からずれると,3個の原子との距離がほかより近くなる.B原子は6個のA原子により正八面体型に囲まれる.NiAsのほかMnBi,NiBi,CoS,CoSe,CrS,CrSe,β-FeS,FeSeなどがこの型の構造をとる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報