ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ビスコンチ・ベノスタ」の意味・わかりやすい解説
ビスコンチ・ベノスタ
Visconti Venosta, Emilio
[没]1914.11.24. ローマ
イタリアの政治家。リソルジメント運動で最初急進的なマッツィーニ派に属したが,のちに穏健なカブール派に移行した。イタリア統一後,1863~64,66~67,69~76年に外相となり,その間フランス占領下のローマを奪回する課題に取組んだ。 20年間は右派の政治家として閣外にいたが,アドワの戦いの敗北後,F.クリスピ内閣が倒れ,右派の A.ルディニ内閣が成立すると,96~98,99~1901年の両度外相に返り咲き,イタリアがドイツ,オーストリアとの三国同盟に深入りする危険を考慮して,隣国フランスとの友好を保つための外交を追求した。この外交政策が第1次世界大戦でイタリアがイギリス,フランス側に立って参戦する基礎をつくった。
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