内科学 第10版 「ビタミンB6欠乏症」の解説
ビタミンB6欠乏症(ビタミン欠乏症)
概念
ビタミンB6はピリドキシン関連化合物の総称で,アミノ酸代謝の補酵素としてGABA,セロトニン,ドパミンなどの神経伝達物質の合成や分解に関与している.食物中に広く分布しているので単独欠損症はまれであるが,妊娠,吸収不良,拮抗する薬物の投与(イソニアジドやレボドパ)などで欠乏症をきたす.
臨床症状
感覚障害優位の軸索変性型の末梢神経障害を示す.中枢神経症状として痙攣を生じることがある.
治療
ビタミンB6を50~100 mg/日経口投与する.イソニアジドの投与時は通常予防的に100 mg/日を併用する.[中里雅光]
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報