痙攣(読み)ケイレン

デジタル大辞泉 「痙攣」の意味・読み・例文・類語

けい‐れん【××攣】

[名](スル)全身的または部分的に筋肉収縮し、不随意運動を起こすこと。持続的にみられる強直性のもの、間欠的にみられる間代性のものなどがあり、脳疾患・髄膜炎中毒ホルモンの異常などが原因。「唇を痙攣させる」
[類語]引き付けかんの虫しゃく

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精選版 日本国語大辞典 「痙攣」の意味・読み・例文・類語

けい‐れん【痙攣】

  1. 〘 名詞 〙 筋肉が自然にひきつること。また、それにともなうふるえ。からだ全体のものと、部分的のものとがある。いろいろな脳の病気、毒物による中毒、貧血や脳の血液循環障害が原因でおこる。ひきつり。ひきつけ。〔医語類聚(1872)〕
    1. [初出の実例]「窒息するとか痙攣(ケイレン)するとかいふ苦みを覚えるだらう」(出典:妄想(1911)〈森鴎外〉)

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改訂新版 世界大百科事典 「痙攣」の意味・わかりやすい解説

痙攣 (けいれん)

不随意かつ急激な筋肉の収縮をいう。筋肉の異常な収縮が長く続き筋肉がこわばった状態になるものを強直性tonic痙攣,筋肉の収縮と弛緩が交互に反復する状態を間代性clonic痙攣と呼ぶ。痙攣という名称は,非常に広い範囲の内容を意味しており,いくつかに分けられる。

 (1)コンバルジョンconvulsion てんかんの大発作に代表される全身性の激しい痙攣をさす。(2)クランプcramp 有痛性の痙攣で,正常でも〈こむらがえり〉として経験される。書痙などの職業性痙攣,循環障害による間欠性跛行,代謝障害による筋肉自体の拘縮などもここに含められることが多い。(3)スパスムspasm 自分の意志で弛緩することのできない筋緊張の増加と筋短縮で,痙攣の術語としてはコンバルジョンなどよりもより一般的な術語である。破傷風テタニー,狂犬病でみられるほか,顔面痙攣,眼瞼痙攣痙性斜頸などとしても知られている。(4)ミオクローヌスmyoclonus 一つの筋肉あるいは筋群にみられる,持続時間の短い不随意に起こる不規則な電気ショック様の筋収縮である。正常でも入眠中にみられることがあるが,てんかん,感染症,変性性疾患,低酸素症など神経系を侵す種々の疾患で認められる。

 このようにさまざまな形の痙攣が,大脳皮質から脊髄,末梢神経および筋肉に至る種々の病変によって生ずるため,詳細な問診と診察により臨床像を明らかにするとともに,脳波,筋電図を含む適切な検査によって診断することが必要である。治療は,原因疾患の明らかなものはその治療をすることであるが,危険防止と患者の苦痛をとるために痙攣を止めることも重要であり,真性てんかんや治療不能な変性疾患に伴う痙攣発作に対しては,それが治療のすべてである。なお抗痙攣剤は種々の副作用があり,注意深く投与しなければならない。
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百科事典マイペディア 「痙攣」の意味・わかりやすい解説

痙攣【けいれん】

筋または筋群の不随意的な発作性収縮。強直性(緊張性)と間代(かんだい)性に分けられる。前者は強い持続性の収縮で四肢が強直し首と背を後ろにそらすもので,典型はストリキニーネ中毒。後者は筋収縮と弛緩(しかん)が反復されるもので,典型は石炭酸中毒。腓(こむら)返りのように局所的なものもあるが全身性のものが多く,たいてい強直・間代の両者が合併する。てんかん,脳腫瘍,ヒステリー,尿毒症,各種の伝染病や中毒などの際に見られる。
→関連項目ジアテルミー子癇ストリキニーネ癲癇ひきつけフェニルケトン尿症フェノバルビタール震え

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内科学 第10版 「痙攣」の解説

痙攣(症候学)

 痙攣は全身または身体の一部の筋群の不随意で発作性の収縮である.痙攣の原因となる病変部位としては,脳,脊髄,末梢神経,筋肉であり,神経-筋のどのレベルの異常でも起こりうる.また痙攣の原因となる病態は,炎症・感染,腫瘍,血管障害といった器質病変,電解質・代謝異常,脳循環障害など多岐にわたる(表2-49-1).
 痙攣は全身痙攣発作の意味でよく使われる.全身痙攣発作の病因には,急性の脳障害・代謝障害などに起因する急性症候性痙攣発作(acute symptomatic convulsive seizure)と,慢性疾患のてんかん発作(epileptic seizure)がある.痙攣の原因が脳疾患のこともあれば,全身性疾患(病態)の一症状として痙攣がみられることがある. 痙攣は代表的なてんかん発作型ではあるが,てんかんには痙攣をきたす発作と,きたさない発作(欠神発作,複雑部分発作)がある.痙攣は一般用語でもあり,患者の訴えの「痙攣」はてんかん発作,不随意運動,有痛性の筋痙攣など多彩な症状が含まれる. 痙攣の鑑別には,筋痙攣,破傷風,全身硬直(stiff -person)症候群,有痛性強直発作テタニー,半側顔面痙攣,チック,痙攣性失神,も含まれる.いわゆるヒステリー発作も痙攣発作をきたす.精神的な要因による痙攣発作で,非てんかん性心因性発作(non-epileptic psychogenic seizure:NEPS)とよばれる.[赤松直樹・辻 貞俊]
【⇨15-1】

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普及版 字通 「痙攣」の読み・字形・画数・意味

【痙攣】けいれん

ひきつけ。

字通「痙」の項目を見る

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栄養・生化学辞典 「痙攣」の解説

痙攣

 骨格筋に不随意にみられる収縮.

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