日本歴史地名大系 「ビホロ」の解説
ビホロ
びほろ
漢字表記地名「美幌」のもととなったアイヌ語に由来する地名。当地一帯は近代に入り美幌村に包含された。仮名表記は「ビホロ」(廻浦日記・蝦夷人物誌)のほか「ヒボロ」(玉虫「入北記」、島「入北記」)、「ヒホロ」(西蝦夷日誌・場所境調書)、「ビボロ」(東行漫筆)もある。「戊午日誌」(安加武留宇智之誌)は語義について「ビホロは(中略)小石多く有る処と云り」と記す。「東行漫筆」に「シヨロヽ川」よりシャリへ向かう途次の地名として「チムケフ」と「ハナクシベツ」の間に「ビボロ」が記載されており、ビボロより二里ほど手前の「ポロナイ」は先頃シラヌカ場所とシャリ場所の境とされたとある(文化六年四月二二日条)。「廻浦日記」に「是よりクスリ領に入、タツコ、キヽム、此処則大塚氏が切開しクスリ越の道筋也」「山中にビホロ村と云有て、昔は三十軒余有之由なるが、今は纔五軒、人別二十人(中略)達者の者は皆クナシリえ取られ、此五軒の処に当時一人も稼の出来者はなしと聞り」とある。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報