ビュリダンの驢馬(読み)ビュリダンのろば

精選版 日本国語大辞典 「ビュリダンの驢馬」の意味・読み・例文・類語

ビュリダン‐の‐ろば【ビュリダンの驢馬】

  1. 〘 名詞 〙 ( ビュリダンは、フランス中世の哲学者、ジャン‐ビュリダン(Jean Buridan)にちなむ ) 理性意志を決定するとしたら、同じ量と質の二つの干し草の塊の間におかれたロバは、双方に対して等しい欲求を持つので、どちらも選べず餓死してしまうだろうという例え。意志は理性がよいと認めない限り選択することができないとする、ビュリダンの意志決定理論に対する反論として提示されたという。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のビュリダンの驢馬の言及

【ビュリダン】より

…これらの思索は中世後期からルネサンス時代までさまざまな影響を及ぼしたが,なかでもインペトゥス理論はひろく受けいれられ,近代的な力学思想形成の原動力として大きな役割を果たすことになった。なお,〈ビュリダンの驢馬(ろば)〉――同質同量の2束の乾草の真ん中に置かれた驢馬は,双方からの刺激が等しいため一方を選べず餓死する――の話はよく知られているが,彼の著作にはない。【横山 雅彦】。…

※「ビュリダンの驢馬」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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