干し草(読み)ほしくさ(英語表記)hay

翻訳|hay

改訂新版 世界大百科事典 「干し草」の意味・わかりやすい解説

干し草 (ほしくさ)
hay

牧草や野草を刈り取って乾燥したもので,冬季の青草がない時期の家畜飼料の一つ。乾草とも書く。サイレージふすまなどとともに家畜に与えられる。アルファルファ,イタリアンライグラスおよびオーチャードグラスとクローバー類の混播(こんぱん)牧草などが主として用いられる。刈取時期は牧草の種類によって異なるが,栄養価や家畜の嗜好(しこう)性などからみた品質と収量の両面から,一般に開花初期がよいとされている。モーアで刈り取り,その場に広げて乾燥するが,ヘーコンディショナーで茎葉に傷をつけると,水分の蒸発を促進させる効果が高い。テッダーで1日1~2回反転すると,晴天日なら2日ぐらいで水分15%程度の干し草が得られる。干し草の質の良否は乾燥速度に規定されるため,刈取り・乾燥時の天候が大きな問題となる。運搬や堆積を容易にするためヘーベーラー(梱包(こんぽう)機)で圧縮,整形,結束する。天日乾燥のほかに,火力乾燥や脱水後乾燥する人工乾燥法もある。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の干し草の言及

【飼料作物】より

…家畜や家禽(かきん)の餌(えさ)とするために栽培される植物。牧草や飼料用根菜類だけでなく,普通は子実やいもを人間が食用としている作物であっても,これを家畜の餌用に栽培する場合は飼料作物とされる。たとえばトウモロコシやオオムギ,ライムギ,ダイズ,サツマイモなどの子実やいもは,人類にとって重要な食糧であり,一般には食用作物として扱われるが,これらの子実やいも,茎葉を餌として与えるために栽培される場合は飼料作物として扱われる。…

※「干し草」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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