ビルマ舞踊(読み)ビルマぶよう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ビルマ舞踊」の意味・わかりやすい解説

ビルマ舞踊
ビルマぶよう

ビルマ (現ミャンマー) では劇,舞踊などを総称してポエーという。仏教国であるが,ナットと呼ぶ精霊信仰も強く,このナットを慰めたり,将来を予見するために踊られるナット・ポエーは恍惚状態になった巫女ナット・カダウが踊る。純粋に舞踊だけとして踊られることは少く,種々の演芸を取合せたアニェイン・ポエー,現代風舞踊劇ピャ・ザット,伝説をもとに伝統的な楽器編成をもつ舞踊劇ザット・ポエーなどとともに踊られることが多い。ザット・ポエーにみる舞踊は,ビルマの民族舞踊と 1767年にビルマに伝播したタイの古典舞踊,さらに西洋バレエが融合したものといわれる。また,糸操り人形芝居ヨクティ・ポエーを舞踊化したものもある。 18世紀なかばから 19世紀なかばにかけて国王の保護を受けた宮廷仮面舞踊劇ザット・ジィーはタイから流伝された『ラーマキエン』物語を主として演じる。

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