改訂新版 世界大百科事典 の解説
ピレニアン・マウンテン・ドッグ[種]
Pyrenean mountain dog
原産地がスペインの牧畜犬,家庭犬。グレート・ピレニーズGreat Pyreneesとも呼ばれ,スペインとフランスの国境地帯のピレネー山脈が名称の起源になっている。中世には家畜の群れをオオカミやクマから守る牧畜犬,城や国境の歩哨犬や警備犬,また貿易商人の荷物を背に負って国境の山地を越える作業犬として幅広く活躍したと伝えられる。このイヌの基礎はチベタン・マスチフであると推察されているが詳細は不明で,14世紀ころにはすでに存在したようである。性格はきわめて穏和で,家庭犬としての歴史は古い。被毛は中等度に長く下毛は稠密(ちゆうみつ)で,毛色は白一色で美しい。体高は約65~80cm,体重は約45~75kgで超大型種である。
執筆者:一木 彦三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報