ファルネーゼ座(読み)ふぁるねーぜざ(その他表記)Teatro Farnese

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ファルネーゼ座」の意味・わかりやすい解説

ファルネーゼ座
ふぁるねーぜざ
Teatro Farnese

イタリアのルネサンス末期、パルマに建造された近代劇場。建築家G・B・アレオッティ(1546―1636)がパルマの貴族ファルネーゼ家の要請を受けて設計し、その館ピロッタ宮内に1年の歳月をかけて1619年に完成させた。1585年建造のオリンピコ座において背壁中央に位置したアーチ門を、舞台前部の両側幅に拡大、前進させ、いわゆる「額縁舞台」(プロセニアム・ステージ)を実現した。同時に側面書割による舞台背景と幕の使用によって、近代末まで屋内劇場の定型となった「幻影舞台」(イリュージョン・ビューネ)を完成させ、演劇史上、画期的な意義を担った。第二次世界大戦中に劇場は被爆、破壊された。

赤沢 寛]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android