改訂新版 世界大百科事典 「フィリップエガリテ」の意味・わかりやすい解説
フィリップ・エガリテ
Philippe Égalité
生没年:1747-93
フランスの王族で政治家。ルイ14世の弟に始まるオルレアン家の5代目で,本名はオルレアン公ルイ・フィリップ・ジョゼフLouis Philippe Joseph,duc d'Orléansであるが,フランス革命中に,王族であるにもかかわらず革命の支持者であることを示すために,みずから〈平等〉を意味するエガリテと名のった。革命前から国王に反抗的な態度をとり,1789年には全国三部会の貴族身分の議員として第三身分の議員との合同をはかり,ミラボーなどと結んで権力をうかがった。92年には国民公会議員に選ばれ,国王ルイ16世の裁判の際にはその処刑に賛成したため,かえってその品性を疑われた。のち,反革命容疑者として処刑された。その子ルイ・フィリップは1830年の七月革命でフランス国王になった。
執筆者:遅塚 忠躬
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報