フィリピン舞踊(読み)フィリピンぶよう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フィリピン舞踊」の意味・わかりやすい解説

フィリピン舞踊
フィリピンぶよう

3世紀にわたるスペイン統治時代文化的影響が舞踊にも強く反映されている。先住民の民俗舞踊としては,ルソン島のイフガオ,アパヤオ族の打楽器ガンサを打ちながら踊る輪舞や収穫祝いの踊り,レイテ島の農民が罠で鳥を捕える姿を舞踊にしたティニクリンなどがある。南部のミンダナオ島,スルー諸島,パラワン島にはイスラム教色をもつ舞踊が多く,宮廷の女性たちが優雅に歩くさまを踊るカザドラタンや侍女が踊るアラビアの奴隷踊りアシィクがある。また,スペインの民俗舞踊であるホタファンダンゴがリズムを変えて踊られる。このほかワイングラスを頭と手の甲に載せてバランスをとりながら踊るビナスアン,ココナッツの殻を体と足につけて踊るマグララティック,ベンチの上でバランスをとりながら踊るバンコなど。今日活躍している舞踊団にはバヤニハン民族舞踊団,フィースタ・フィリピーナ舞踊団,フィリピン・ノーマル・カレッジの体育学生を中心としたバランガイ民族舞踊団がある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android