スペインの民俗舞曲。とくに南部に盛んであるが,他の地方にも普及している。リズムは特殊なアクセントを伴う3拍子であるが,リズムにこだわらない自由な歌の部分が挿入されることも多い。文献には18世紀の初めから現れるが,旋律および和声の流れには古めかしい趣が強く,より古い起源が考えられる。中世のイスラム社会に行われた歌謡のなごりという説もある。フラメンコの中にも取り入れられ,重要な役割を果たしている(マラゲーニャ,グラナディーナ,タランタなどもファンダンゴの変種である)。一方,スペインのA.ソレル,E.グラナドス,M.deファリャ,イタリアのボッケリーニ,あるいはロシアのリムスキー・コルサコフら多くの作曲家が,この舞曲に霊感を受けて作品を残している。
執筆者:浜田 滋郎
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スペインの代表的民俗舞踊および民謡。各地にみられるが、とくに南部のアンダルシア地方のものが有名。その起源はホタにあるといわれ、17、8世紀には上流社会でも流行した。ギター、タンバリン、カスタネットで伴奏され、3/4または6/8拍子の明るく軽快なリズムを特徴とする。フラメンコにも取り入れられ、通常2人の踊り手がカスタネットを奏し、ギターで伴奏される。大別して、カンテ・ホンドを思わせる激しい表現のファンダンゴ・グランデと、リズミカルな大衆舞踊音楽のファンダンゴ・チコの2種がある。芸術音楽でも、アルベニス『イベリア』、グラナドス『ゴイェスカス』、ファリャ『三角帽子』、ロドーリゴ『二つのギターのための協奏曲』などで用いられている。
[アルバレス・ホセ]
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…スペインは,舞踊のさかんなことにかけてはヨーロッパでも指折りの国である。ボレロ,セギディーリャ,ホタ,ファンダンゴ,各種フラメンコ舞踊など世界的に知られる踊りも少なくない。なかでも著名なのはフラメンコだが,これがスペイン舞踊のすべてであるように思うのは誤解で,この国にはより古い歴史をもつ古典舞踊や,それぞれ固有の風土を背景とした多様な民俗舞踊の流れも存在する。…
※「ファンダンゴ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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