輪舞(読み)りんぶ(英語表記)Reigen

日本大百科全書(ニッポニカ)「輪舞」の解説

輪舞
りんぶ
Reigen

オーストリアの小説家・劇作家A・シュニッツラーの初期の代表作。10景からなる性愛をテーマにした会話劇。1900年発表。登場する男女の組合せが、景が進むごとに娼婦(しょうふ)と兵士、兵士と小間使、小間使と若様というように順次入れ替わり、最後に伯爵のパートナーとしてまた娼婦が出てきて、全登場人物がのようにつながるのでこの名がある。

 内容が愛欲場面の連続であるため、発表当時上演を禁止され、1921年にはベルリンで公演の是非をめぐる法廷論争まで引き起こした。しかし好色文学ではない。作品構成からも明らかなように、身分や男女の別なくすべて人には性欲があることを強調することによって、性をみようとしない当時の偽善的社会道徳を批判したのである。

[井上修一]

『『輪舞』(高橋健二訳・新潮文庫/中村政雄訳・岩波文庫)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「輪舞」の解説

輪舞
りんぶ
Reigen

オーストリアの劇作家,小説家 A.シュニッツラー戯曲。 10編の対話から成る連作。 1896~97年に執筆,1900年 200部限定版を友人に配布,03年刊。コミカルな恋のメリーゴーラウンドを通して,見せかけの愛にひそむ偽瞞を描いた作品。初め,風俗を乱すものとして上演・出版を禁止されたが,20年の公演は大きな反響を呼んだ。 50年"La Ronde"の題でフランスで映画化された。

輪舞
りんぶ
Round dance

輪を描いて踊る舞踊のことで,列形式の舞踊と対比していう。世界各国の民俗舞踊にみられる。中心を設定し輪をなす場合,踊り手が自転するものと,単に循環するものに大別され,また宗教学的には生とが循環する形式,輪によって包囲される中心部で犠牲が捧げられ輪をつくっている人々が贖罪される形式,神力を中心部から得る形式などに分類される。日本では風流踊盆踊などにこの形式のものが多い。

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精選版 日本国語大辞典「輪舞」の解説

りん‐ぶ【輪舞】

〘名〙
大勢が輪になって踊ること。また、その踊り
※人間横光利一(1955)〈中島健蔵〉「みんな手を握りあって、狂気の沙汰の輪舞を始めたのであった」
② =ロンド

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デジタル大辞泉「輪舞」の解説

りん‐ぶ【輪舞】

[名](スル)大勢の人が輪になって回りながら踊ること。また、その踊り。

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