オーストリアの小説家・劇作家A・シュニッツラーの初期の代表作。10景からなる性愛をテーマにした会話劇。1900年発表。登場する男女の組合せが、景が進むごとに娼婦(しょうふ)と兵士、兵士と小間使、小間使と若様というように順次入れ替わり、最後に伯爵のパートナーとしてまた娼婦が出てきて、全登場人物が輪舞のようにつながるのでこの題名がある。
内容が愛欲場面の連続であるため、発表当時上演を禁止され、1921年にはベルリンで公演の是非をめぐる法廷論争まで引き起こした。しかし好色文学ではない。作品構成からも明らかなように、身分や男女の別なくすべて人には性欲があることを強調することによって、性をみようとしない当時の偽善的社会道徳を批判したのである。
[井上修一]
『『輪舞』(高橋健二訳・新潮文庫/中村政雄訳・岩波文庫)』
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…以後,イタリア,スイスと転々とし,41年にハリウッドへ。ダグラス・フェアバンクス・ジュニア主演の活劇《風雲児》(1947),シュテファン・ツバイクの短編小説を映画化した《忘れじの面影》(1948)などを撮るが,映画史におけるオフュルスの名声を決定的にしたのは,第2次大戦後(1950)フランスに戻って撮った4本の作品,《輪舞》(1950),《快楽》(1952),《たそがれの女心》(1953),《歴史は女で作られる》(1955)である。【高崎 俊夫】。…
…戯曲では,七つの一幕物からなる《アナトール》(1893)が,小人数の会話に人物の揺れ動く内面を優雅で淡い憂鬱なタッチで描き,世紀末ウィーンの雰囲気をアイロニカルに映し出した。続いて《恋愛三昧》(1895)のはかない恋,《緑のおうむ》(1899)の仮象と現実の交錯する奇怪な世界,そして10人の人物が2人ずつ登場し,生の倦怠を表現しつつ各場面をつなぐ《輪舞》(1900)と,微妙な陰影に富む作品が生まれた。小説でも彼は世紀末ウィーン社会の診断者たる腕を見せる。…
※「輪舞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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