フツウゴカイ(読み)ふつうごかい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フツウゴカイ」の意味・わかりやすい解説

フツウゴカイ
ふつうごかい / 普通沙蚕
[学] Nereis pelagica

環形動物門多毛綱ゴカイ科に属する海産動物。日本各地の沿岸に分布し、潮間帯の転石下や海藻の根部に生息するほか、水深350メートルまでにみいだされる。体長10センチメートル内外、70剛毛節からなる。体背面は褐色で、斑紋(はんもん)はない。口前葉の先端には1対の感触手と両側に太い副感触手がある。眼点は2対。餌(えさ)をとらえるときに突出させる吻(ふん)には、第1区より第8区までそれぞれに小顎片(しょうがくへん)が配列する。体前部いぼ足の各足葉は先端が鈍円であるが、後方の足葉では先端がとがる。背足枝に長複剛毛、腹足枝に長短両複剛毛がある。生殖時期は北海道では6~9月、関東地方では3月と地域によって異なる。雌の生殖型は第19剛毛節より、雄では第15剛毛節よりいぼ足が複雑に変形する。魚の釣り餌(え)として利用される。

[今島 実]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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