ドイツ中西部の都市、フランクフルト(Frankfurt am Main)中心部の旧市街、レーマー広場にあるゴシック様式の荘麗な大聖堂。市街を見下ろす高さ95mの塔があり、4~10月までの期間にかぎり登ることができる。この大聖堂は、フランク王国当時から礼拝堂や教会があった場所に13世紀に建設され、14世紀にゴシック様式の大聖堂に改築された。この大聖堂の起源は852年にまで遡るといわれる。中近世の神聖ローマ帝国において、たいへん重要な役割を担った大聖堂で、フランクフルトの歴史とも密接に関連している。1356年の金印勅書(きんいんちょくしょ)により、この聖堂が神聖ローマ帝国皇帝選挙の地となり、1562年のマクシミリアン2世以後の皇帝の戴冠式がここで行われるようになった。◇このため、「カイザードーム」(皇帝の大聖堂)とも呼ばれた。現在、市民は「大聖堂」(Dom)と通称しているほか、日本では「フランクフルト大聖堂」とも呼ばれている。大聖堂の博物館には、1350年のゴシック様式祭服や、1720年の金箔の聖体顕示台などの宝物が展示されている。