もっとも歴史の古い金属箔の一種。金の高い展延性を利用し、打ち延ばして厚さ0.1マイクロメートルのものまでできる。高純度の金は箔打ちが困難で、市販のものは金と銅と銀の合金である。合金にすると展延性は向上するが、色に差異が出る。日本では金沢市で国内全生産量の98%以上がつくられている。製箔工程は機械化が一部行われているものの、技法に伝統的な部分が非常に多く、最終の箔打ち工程では、特殊な処理を施した和紙に上澄みとよばれる厚さ2マイクロメートル程度の金を挟んで束にし、それを革で包んだものを箔打ち機で打って金箔にしている。主として美術工芸品、金切箔(きんきりはく)、金糸の材料になり、また書籍の天金(てんきん)など装飾に用いられる。
[志村宗昭]
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…絵具
[箔,泥,砂子]
箔(はく)には金,銀をはじめとし,プラチナなどが用いられる。金箔には厚さの違いと,銀や銅との合金による色の差があり,純金箔,山吹,青金(あおきん),水金などと呼ばれる。これを画面に貼ったり,散らして文様を表現することは古くから行われた。…
…
[西アジア,西欧]
木の家具の歴史は古く,古代エジプトではファラオの玉座をはじめ寝台,椅子,腰掛,櫃(ひつ),テーブル,化粧箱,頭架などが作られている。それらの装飾には彫刻,象嵌,塗装,金箔付けなど木工芸にとって主要な装飾技法が使われていた。木材加工に使用した工具には鋸(のこぎり),鑿(のみ),ハンマー,斧,錐(きり),小刀,砥石(といし)などがあり,また部材の組手には枘接(ほぞつぎ)と蟻接(ありつぎ)などが使われていたことからみて,古代エジプトの木工技術はきわめて高い水準に達していたものとみられる。…
…なお羅文の中に飛雲が加わったり,羅文の飛雲もあるので,両者の技法は近いとみられる。 仕上がった紙を加工する装飾には〈からかみ〉や墨流し,金箔,描(かき)文様,下絵,継紙(つぎがみ)など数多くの技法がある。〈からかみ〉は初め中国から輸入された唐紙の意味であったが,しだいに装飾紙の技法をさすようになった。…
※「金箔」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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