日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
フリッツ・アンド・ドロレス・ラス賞
ふりっつあんどどろれすらすしょう
Fritz J. and Dolores H. Russ Prize
生物工学分野の研究者に贈られる世界的に権威のある賞の一つ。アメリカの民間非営利研究機関である全米工学アカデミーUnited States National Academy of Engineering(NAE)が、1999年にオハイオ大学の要請を受けて共同で創設した。2年に1度、奇数年に授与される賞で、受賞者には総額50万ドルの賞金が授与される。賞の名称は、オハイオ大学出身でアメリカの軍事や宇宙開発、医療などの分野に広く貢献した、システムズ・リサーチ・ラボラトリーSystems Research Laboratories(SRL)創設者のフリッツ・ラス(1920―2004)と、その妻ドロレス・ラス(1921―2008)の二人にちなむ。同賞では新たな技術が科学や工学の発展に寄与するだけでなく、医療や生物学の分野や職業間で連携作用を促進し、広く実用化されることが選考基準として重視されている。同じく全米工学アカデミーが選考するチャールズ・スターク・ドレーパー賞、バーナード・ゴードン賞とあわせて「工学のノーベル賞」とよばれる。
[編集部]