日本大百科全書(ニッポニカ) 「バーナード・ゴードン賞」の意味・わかりやすい解説
バーナード・ゴードン賞
ばーなーどごーどんしょう
Bernard M. Gordon Prize
工学と技術教育の分野で革新的な指導力を発揮した者の功績を称える賞。アメリカの民間非営利研究機関である全米工学アカデミーUnited States National Academy of Engineering(NAE)が2001年に創設した。優れた工学教育や技術教育に貢献した個人やグループを対象に毎年表彰しており、賞金の50万ドルの半分は受賞者に授与され、残りは、継続的な育成教育の発展のために所属組織に贈られる。工学分野で世界的に権威のある賞の一つで、同じく全米工学アカデミーが選考するチャールズ・スターク・ドレーパー賞とフリッツ・アンド・ドロレス・ラス賞をあわせた3賞は、「工学のノーベル賞」ともよばれる。賞の名称は、アメリカの発明家で全米工学アカデミー会員のバーナード・マーシャル・ゴードン(1927― )にちなむ。ゴードンは、アナログ・デジタル変換の父といわれ、医療断層撮影法(CT)などの高精度な計測機器を発明した人物である。世界中で200以上の特許を有し、アナロジック社Analogic Corporationをはじめとする複数の企業を設立した。なお、同賞はNAEの会員または存命のアメリカ国民か、永住者のみを対象とする。
[編集部]