改訂新版 世界大百科事典 「フーフェラント」の意味・わかりやすい解説
フーフェラント
Christoph Wilhelm Hufeland
生没年:1762-1836
ドイツの内科学者,宮廷医。その著書が日本に伝えられ,医学,医倫理の面で影響を与えた。バート・ランゲンザルツァに生まれ,イェーナ,ゲッティンゲンの両大学で学び,イェーナ大学教授,プロイセン宮廷医兼シャリテ病院医長,ベルリン大学教授などを歴任し,内科および外科学会を創始した。ゲーテ,シラーらを患者にもち,ジェンナー種痘法をドイツに入れ,チフスの予防に尽くし,研究は統計学に及んだ。ベルリン学派の雄として医学,医学教育の指導的立場にあり,その著《Encheiridon medicum》は日本でも青木周弼,緒方洪庵,杉田成卿により,それぞれ,《察病亀鑑》《扶氏経験遺訓》《医戒》という邦題で抄訳された。また《長命術Makrobiotik》もヨーロッパで広く読まれた。
執筆者:長門谷 洋治
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報