ブール束(読み)ブールそく(その他表記)Boolean lattice

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブール束」の意味・わかりやすい解説

ブール束
ブールそく
Boolean lattice

ブール代数 Boolean algebraともいう。ブール論理計算を形式化して導入したである。まず,無定義な元 ABC,… の集合を考える。そして,そのなかには,O および I で表わされる2つの特別なものが存在するとする。また,2つの元 AB を結びつける AB という演算AB という演算,そして1つの元 A に施される A' という演算が存在するものとして,これらに対していくつかの公理をおく。たとえば1つの全体集合 U の部分集合を ABC,… とし,ABAB の結び,ABAB の交わり,A' を AU に関する補集合とすれば,ABC,… はブール束をつくる。この部分集合は命題に対応するので,論理束と同型になるのである (→部分集合 ) 。 ABABA×B=(AB')∩(A'∩B) とすると,ブール束には環の構造が考えられる。これをブール環 Boolean ringということもある。

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世界大百科事典(旧版)内のブール束の言及

【束】より

…例えば,アーベル群Aによる,GA×Aの部分群のなすモジュラー束において,D={(a,a)|aA},B={(a,1)|aA},C={(1,a)|aA}とおくと,D(BC)=D,DBDCGとなるからである。
[ブール束]
 相補束であり,かつ分配束であるものをブール束または相補分配束という。ブール束においては,一つの元の補元は必ず一つだけである。…

【ブール代数】より

…(3)x,y,zLならば,x∩(yz)=(xy)∪(xz)。 一般に,この条件(1)~(3)を満たす束をブール束,またはブール代数という。次の(3′)により(1),(2),(3′)を条件にしても同等である。…

※「ブール束」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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