プサメティコス(読み)ぷさめてぃこす(その他表記)Psammetichus Ⅰ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「プサメティコス」の意味・わかりやすい解説

プサメティコス(1世)
ぷさめてぃこす
Psammetichus Ⅰ

生没年不詳。古代エジプト第26王朝初代の王(在位前663~前610)。デルタ地帯のサイス領主であった彼は、外国人傭兵(ようへい)隊を用いてヌビア人の王朝(第25王朝)を倒してエジプト人の王朝を建てた。国粋主義を高揚し、とくに古王国時代の荒れたピラミッド、墓、神殿復旧に努力した。彼のあとに続く諸王も初代王の意志を引き継ぎ、「サイス時代」とよばれる文化復興の時代をつくった。アフリカ周航事業のネコ王は彼の子。

[酒井傳六]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のプサメティコスの言及

【エジプト】より

…前8世紀後半ナイル第4急湍地方のナパタに興ったエチオピア人の王がエジプトを征服(第25王朝),アメン信仰の復興など文化の再建に努めるが,前671年アッシリア王エサルハドンにタハルカTaharqa王が追われ,エジプトはアッシリア帝国の一部となる。しかし将軍プサンメティコス(プサメティコス)1世がイオニア人傭兵の援助でアッシリアから自立(第26王朝),文化の復興のため古王国時代の芸術・言語・文字を模倣した復古主義を推進した。王はイオニア人傭兵をデルタに植民させ,のちアアフメス(アマシス)2世Aahmes IIがメンフィスに都を移したが,ギリシア人商人のため植民市ナウクラティスの建設を許可,ギリシア交易の独占権を与え,経済の復興の一助とした。…

※「プサメティコス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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