日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
プライベート・キャリアー
ぷらいべーときゃりあー
private carrier
自己の運送需要のために、自ら所有する運送手段によって運送を行う自己運送人をさす。歴史的には、中世以降のマーチャント・キャリアーmerchant carrierやプロデューサー・キャリアーproducer carrierがそれである。独占資本主義時代に入ると、大規模産業資本が運送手段を所有したり運送部門を兼営して、生産の原料や製品の運送を行う形態が生まれ、とくにインダストリアル・キャリアーindustrial carrierとよぶ。たとえば、石油資本のタンカーや自動車会社の自動車専用船などがこれにあたる。
[宇野耕治]
『岡野行秀・山田浩之編『交通経済学講義』(1974・青林書院新社)』▽『地田知平著『海運産業論』(1978・千倉書房)』▽『前田義信著『交通経済学要論』(1982・晃洋書房)』