日本大百科全書(ニッポニカ) 「プルトコーフ」の意味・わかりやすい解説
プルトコーフ
ぷるとこーふ
Козьма Прутков/Koz'ma Prutkov
ロシアの架空の風刺作家。アレクセイ・トルストイとジェムチュージュニコフЖемчужников/Zhemchuzhnikov兄弟(兄アレクセイ1821―1908、弟ウラジーミル1830―1884)の共同のペンネーム。1850~1860年代に共同で詩、寓話(ぐうわ)、アフォリズム、喜劇、パロディーを書いて人気を博した。その風刺の矛先は、自己満足的な俗悪さ、反動的な善意、警察国家における生活の法規制、えせロマンチシズム、「純粋芸術」、インチキ科学に向けられ、雑誌『現代人』『イスクラ』『娯楽』などによって活躍し、作家の肖像画まで発表されたほどの人気で、死亡広告を出して存在を終えた(1862)。
[島田 陽]
[参照項目] |