プロトクラスティック組織(読み)プロトクラスティックそしき(英語表記)protoclastic texture

岩石学辞典 の解説

プロトクラスティック組織

一部が結晶化したマグマ流動によって,鉱物の部分が互いに破砕され摩滅された組織.火成岩結晶作用のほとんど終わった時期に差動運動を受けて,マグマ内に早期に晶出した構成鉱物が粒状化してできる組織.変形して歪をもつ鉱物が細粒になり,再結晶して歪をもたなくなった鉱物からなる基質の中に,粒状化をまぬがれて歪を残し,十字ニコル下で波状消光を示す鉱物が砕残擬斑晶(porphyroclast)として残る.変形した構造であるが一時的な変成作用を受けて形成されたものではない[Brögger : 1890, 片山他編 : 1970].班晶のような初期に形成された鉱物が,完全に固結する以前に差別的な動きによって破砕され周囲が細粒となったもの[Bowes : 1989].

出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android