日本大百科全書(ニッポニカ) 「プロラクチン抑制因子」の意味・わかりやすい解説
プロラクチン抑制因子
ぷろらくちんよくせいいんし
prolactin-inhibiting factor
下垂体前葉ホルモンの一つであるプロラクチンの分泌を抑制する物質をいう。脳の視床下部の神経分泌細胞でつくられ、下垂体門脈血中に放出され、プロラクチン細胞に直接作用する。ラットでは、カテコールアミンの一種であるドーパミンがその本体である。ドーパミンは視床下部弓状核のドーパミン作動性ニューロンで合成される。哺乳(ほにゅう)類では、視床下部には抑制因子のほかに、プロラクチンの分泌を促進するプロラクチン放出因子も存在すると考えられているが、化学的実体は明らかではない。鳥類では、プロラクチン放出因子による分泌調節がおもであると考えられている。
[高橋純夫]
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