ヘア式(読み)ヘアしき(英語表記)Hare system

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヘア式」の意味・わかりやすい解説

ヘア式
ヘアしき
Hare system

比例代表制におけるクォータ計算法 (→当選基数 ) の一つ。当選基数の算出方法として考案された最初の方法で,1857年にイギリスの法律家 T.ヘアによって考案されたのでこの名がある。議員定数を M ,投票総数を V とした場合,クォータ Q は,Q=V÷M として求める。これによると,定数1名ならば投票の全部,2名ならば2分の1の投票を得票する必要がある。この方法は,移譲式,名簿式のいずれの比例代表制にも適用できるが,クォータの数が大きすぎて,当選基数に達する者が配分の第1段階で1人もいなくなったり,定数を配分しきれなくて残余定数を生じるなどの欠点がある。

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