ヘア式(読み)ヘアしき(その他表記)Hare system

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヘア式」の意味・わかりやすい解説

ヘア式
ヘアしき
Hare system

比例代表制におけるクォータ計算法 (→当選基数 ) の一つ。当選基数の算出方法として考案された最初の方法で,1857年にイギリスの法律家 T.ヘアによって考案されたのでこの名がある。議員定数を M ,投票総数を V とした場合,クォータ Q は,Q=V÷M として求める。これによると,定数1名ならば投票の全部,2名ならば2分の1の投票を得票する必要がある。この方法は,移譲式,名簿式のいずれの比例代表制にも適用できるが,クォータの数が大きすぎて,当選基数に達する者が配分の第1段階で1人もいなくなったり,定数を配分しきれなくて残余定数を生じるなどの欠点がある。

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世界大百科事典(旧版)内のヘア式の言及

【比例代表制】より

…選挙において,政党あるいは候補者の集団の得票数に比例するように代表者を選出する方法。比例代表制では各政党の得票率と議会内の議席占有率とはほぼ等しくなる。各種の方法が考案されており,その数は300を超す。 従来の多数代表制では少数党が過少に代表される欠陥があり,18世紀後半,フランスの数学者ボルダJ.C.Bordaやコンドルセらによって批判と代替的方法の提案がなされ,1846年にはフランスのP.V.コンシデランによって今日の名簿式比例代表制にあたるものが提案された。…

※「ヘア式」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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