最新 地学事典 「ヘクラ火山」の解説
ヘクラかざん
ヘクラ火山
Hekla volcano
アイスランド南東部にある同島で最も活動的な火山の一つ。海抜1,447m,比高1,000mの成層火山。形態的には円錐型(中心火山)と火口列型(割れ目火山)の中間で,火口はNE方向の長さ約5kmの割れ目。歴史時代(最近約1,100年間)の大噴火は古記録とテフロクロノロジーによれば17回。最古のものは1104年。噴火史には明瞭な規則性がみられ,1回の噴火は1年程度続き,初期のプリニアン噴火の数時間は大部分流紋岩質~デイサイト質テフラを放出。この噴出物のSiO2含有量は先だった休止期の長さにほぼ比例しており,長い休止期の後ほど爆発的な噴火で始まる。その後,おもに安山岩質に変わる。17回の噴火によって放出されたテフラは1km3強(同化学組成の密な岩石に換算した値,降下時には約5km3)で,うち50%は流紋岩質。溶岩流は計約8km3で大部分安山岩質。1766~68年の噴火は1.3km3の溶岩を噴出したが,これはLakiの1783年(12.5km3),Öræfajökullの1362年(2km3)に次いで歴史時代のIcelandの噴火の第3位。1947~48年の噴火は多方面から研究された。初期の噴煙高度は27kmに達し,全期間の噴出物は玄武岩質安山岩溶岩1km3,テフラ0.22km3。最新の噴火は2000年。
執筆者:中村 一明・大島 治・竹下 欣宏
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

