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多輪廻の中心噴火による多数枚の降下火砕堆積物,火砕流堆積物,溶岩流などが,山頂火口を中心にして四方に低下する成層構造をもって積み重なって生じた擬円錐形の複成火山。比高1000m以下,基底直径2~40km,山頂火口の直径1km以下のものが多い。全体の形態は同心円的等高線で示され,山麓にいたるほど緩傾斜となり,火山側線は懸垂曲線で近似される。しかし,大型の成層火山(たとえば富士山)の火山側線は傾斜急変部を境にして2~4個の切片に区分され,それぞれの内部構造も異なる。すなわち,傾斜(tanθ)0.9~0.4の主山体は爆発破片堆積物,低発泡度の火砕流堆積物,降下火砕堆積物,溶岩流,崖錐堆積物などで構成されるが,傾斜0.3~0.1の山麓部(いわゆる裾野)は爆発破片堆積物の少ない各種の火山噴出物と主山体の解体に由来する2次的な扇状地,土石流,火山泥流堆積物などで構成される。しばしば裾野が主山体より広面積を占める。裾野の外側に高発泡度の火砕流堆積物,火山泥流堆積物,玄武岩質溶岩流などの緩傾斜(0.1~0.0)の堆積面が存在することもある。大型の成層火山は,(1)薄い溶岩流と火山砕屑物,(2)厚い溶岩流,(3)小型火砕流,(4)山頂の小カルデラ形成,(5)溶岩円頂丘(中央火口丘),という噴出・形成順序で成長した複式火山であることが多い。成層火山の数は陸上火山の7割に達するが,大洋地域や安定大陸では少ない。
→火山
執筆者:鈴木 隆介
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
ある火口を中心に、放出された火山砕屑物(さいせつぶつ)(爆発による火山岩塊、火山礫(れき)、火山灰など)と流出した溶岩が幾重にも積み重なって形成された火山。安山岩や玄武岩からなる火山に多く、日本の火山の大半を占める。山体の傾斜は、麓(ふもと)では緩やかであるが、中腹では20~25度、頂部では30度、ときには40度に達することがある。単純な円錐(えんすい)形を呈することが多いので円錐火山ともよばれる。火山砕屑物だけからなる噴石丘にも円錐形のものもあるが、成層円錐火山に比べると、概して小規模である。
[諏訪 彰・中田節也]
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…これを中心噴火という。日本で多く見られる円錐状の火山は,中心噴火を何回も起こし,溶岩流出と爆発による砕屑物の放出が繰り返されるなどしてできたもので,成層火山stratovolcanoと呼ばれる。山腹の傾斜は山頂部にいくほど大きく,40度に達することもあり,山頂には火口がある。…
…複成火山は,休止期をはさんで数万年ないし数千万年をかけて,数百回ときには数千回の噴火を行ってできる火山で,一般に大型である。成層火山は体積10~102km3のものが多く,最大はキリマンジャロ,エトナなどの103km3である。ハワイ型楯状火山は海底部分まで含めると104km3程度である。…
※「成層火山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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