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流紋岩 りゅうもんがんrhyolite

翻訳|rhyolite

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

流紋岩
りゅうもんがん
rhyolite

細粒の斑晶と天然ガラスの斑状組織を示す酸性の火山岩の一種。石英粗面岩ともいう。鉱物組成と化学組成は花崗岩に対応する。斑晶は石英正長石曹長石角閃石などで,雲母は比較的少ない。二酸化ケイ素の平均含有量は 73%内外で白質である。おもに大陸の内部またはその周辺に分布する。溶融体は玄武岩安山岩に比べて粘性が高く,結晶化の程度は低い。日本では西南日本内帯の中生代白亜紀新生代グリーン・タフに大量に噴出した。

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百科事典マイペディアの解説

流紋岩【りゅうもんがん】

化学組成上花コウ岩に対応するケイ長質火山岩の総称。石英粗面岩と同義だが,特に流理構造のあるものを区別していう場合もある。溶岩,火砕岩,岩脈などの形をとる。斑状構造をもつ。
→関連項目砥石流理構造

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岩石学辞典の解説

流紋岩

非顕晶質酸性の火成岩で,花崗岩に対応する噴出岩[Richthofen : 1861, Roth : 1861].一般に石英とアルカリに富む長石の斑晶を含み,石英は細粒の結晶質またはガラス質である.有色鉱物には黒雲母が普通で珪長質組成の石基の中に散在しており,融食され緑泥石化されていることがある.一般に流理構造が発達している.石英の斑晶がないために化学分析がないと流紋岩と決められないものもある.長石はサニディンかNa-斜長石,または両方である.一般には石英粗面岩(liparite)と同義で使用されるが,日本語の石英粗面岩という名称は石英─粗面岩(quartz-trachyte)と混同するので使わない方がよい.しかし現在の岩石の分類の中にはrhyoliteとlipariteを区別して扱う場合がある[Geotimes : 1972].ギリシャ語でrheoは流れるという意味で,rhyaxは熔岩の流れをいう.日本語の流紋岩は1884年に小藤文次郎により命名された[歌代ほか : 1978].

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世界大百科事典 第2版の解説

りゅうもんがん【流紋岩 rhyolite】

フェルシックなシリカSiO2に富む火山岩の岩石名の一つ。SiO2がおよそ70%以上の火山岩をさす場合,斜長石よりアルカリ長石が多くシリカ鉱物を含む火山岩をさす場合など,デイサイトとの分類境界の定義は場合により異なる。斑晶鉱物は石英,アルカリ長石磁鉄鉱のほか,斜長石,ホルンブレンド,オージャイト斜方輝石,Feに富むカンラン石などを含むことがある。石基はガラス質で流理構造が認められることが多い。流紋岩は陸上では粘性の高い溶岩流ないし溶岩円頂丘,大規模火砕流堆積物やこれに伴う降下火砕物として産し,一方,水底ではハイアロクラスタイト相を伴う溶岩や水底火砕流堆積物として産する。

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大辞林 第三版の解説

りゅうもんがん【流紋岩】

火山岩の一。二酸化ケイ素に富み(重量比約70パーセント以上)、淡色。石英・カリ長石などの斑晶を主とし、ときに黒雲母・輝石などを含む。ガラス質の石基には流理が目立つ。溶岩・火砕流・岩脈などとして産する。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

流紋岩
りゅうもんがん
rhyolite

二酸化ケイ素SiO2(シリカ)をもっとも多く(約70%以上)含む火山岩で、花崗(かこう)岩に相当する化学組成をもつ。かつて石英粗面岩lipariteなどの名称が用いられたことがあったが、現在はもっぱら流紋岩が使用されている。流紋岩の多くは斑(はん)状組織を示し、石英やアルカリ長石(サニディン)の斑晶を含む。ときにはナトリウムの多い斜長石、黒雲母(くろうんも)、普通角閃(かくせん)石(ホルンブレンド)、磁鉄鉱など、あるいは普通輝石(オージャイト)、斜方輝石、橄欖(かんらん)石、ざくろ石を斑晶として含むが、それらの量は少ない。石基はガラス質または細粒で、白色、淡灰色、淡褐色である。結晶質の石基は、石英とその他のシリカ鉱物(鱗珪(りんけい)石(トリディマイト)、クリストバル石)、アルカリ長石が主体で、わずかに磁鉄鉱、ジルコン、燐灰(りんかい)石、チタン石などを伴う。ガラス質の石基は脱ガラス化しやすく、新生代第三紀以前の流紋岩ではガラスの部分がクリストバル石の微細な結晶の集合体に変化していることが多い。斑晶をほとんど含まないガラス質の流紋岩は、見かけによって黒曜岩、ピッチストーンpitchstone(松脂(しょうし)岩)、パーライトperlite(真珠岩)とよばれる。黒曜岩は黒色ガラス状、ピッチストーンは樹脂状光沢のある緑褐色のものをいう。パーライトはガラスに球状の割れ目が発達したものをいい、これは流紋岩が熱いうちに水と接触したためにできる。流紋岩は溶岩流、溶岩円頂丘、岩脈、大規模噴火の火砕流堆積(たいせき)物あるいは降下火砕堆積物(軽石や火山灰)として、大陸とその周辺の造山帯に多産するカルク・アルカリ岩系火山岩である。アルカリ角閃石(アルベゾン閃石、リーベック閃石)、アルカリ輝石(エジリン)を含む流紋岩は、カルク・アルカリ岩系流紋岩と区別してアルカリ流紋岩とよばれる。
 流紋岩質マグマの成因として、
(1)玄武岩~安山岩質マグマの結晶分化作用によって生じる
(2)地殻下部の岩石の部分融解でできる
(3)マグマと地殻の岩石の混合・同化作用でできる
などが考えられている。日本列島では中生代白亜紀(西南日本内帯)と新生代新第三紀(グリーンタフ地域)のものが多い。流紋岩溶岩は軽量の建築用石材(伊豆新島(にいじま)の抗火(こうか)石)として用いられている。多孔質の流紋岩溶岩や軽石は断熱性と保温性に優れているので、耐火モルタル用骨材、軽量コンクリート用骨材、軽量ブロック、外装タイルにも使われる。また微粉砕後、接着剤で成形、焼成して軟らかい研磨材としても使われる。[千葉とき子]

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