ヘッドスマッシュトインバッファロージャンプ

デジタル大辞泉 の解説

ヘッドスマッシュトイン‐バッファロージャンプ(Head Smashed-In Buffalo Jump)

カナダアルバータ州南部にある史跡カルガリーの南約150キロメートルに位置する。高さ約20メートルの崖があり、崖下からバッファローの骨が大量に発見された。19世紀半ばまで、先住民ブラックフット族がバッファローの群れを崖に追い込み、崖下に突き落とす狩りを行ったことで知られる。1981年、世界遺産文化遺産)に登録された。

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世界遺産詳解 の解説

ヘッドスマッシュトインバッファロージャンプ【ヘッド-スマッシュト-イン-バッファロー-ジャンプ】

1981年に登録されたカナダの世界遺産(文化遺産)で、アルバータ州の南西部、カルガリーの南東約150kmのポークパイン・ヒルズに位置する。ポークパイン・ヒルズには高さ約18m、幅約300mの断崖があり、アメリカ先住民ブラックフット族は、この場所を「血に染まった深い淵」と呼び、野牛のバッファロー(アメリカンバイソン)をこの崖に追い詰め、断崖から追い落とすという方法で狩猟を行ってきた。このため、崖下にはバッファローの骨がうずたかく堆積している。この断崖を利用した狩猟は、5000年以上前から19世紀まで行われてきた。こうした狩猟法は、ここに限らず北アメリカをはじめ、ヨーロッパ各地で行われていたものだが、この断崖が重要なのは、発掘される遺物が古代先住民の生活形態を物語っているためである。バッファローの骨の堆積層からは、往時の生活を物語る木槌、矢尻、鍬、串などの狩猟道具や生活用具も出土している。◇英名はHead-Smashed-In Buffalo Jump

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ヘッド・スマッシュト・イン・バッファロー・ジャンプ
Head-Smashed-In Buffalo Jump Complex

カナダのアルバータ州南部,カルガリーの南約 150kmのポークパインの丘にある狩猟場跡。先住民がバッファロー (アメリカバイソン ) 狩りを行なった際,バッファローを断崖に追い込み,「血に染まった深い淵」と呼ばれる高さ 18mの断崖下に落としてしとめた場所。約 5000年もの間,そうした狩猟が続けられた世界最古の狩猟場の一つで,断崖の下ではバッファローを解体した矢じり,木槌,金床などの道具類が発掘されている。 5000年もの間続いてきたこの狩猟法も,19世紀に銃が普及するとみられなくなった。 1938年発掘作業が始められ,当時の模様は資料館で再現されている。 1981年世界遺産の文化遺産に登録。

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