ヘッピリムシ(読み)へっぴりむし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヘッピリムシ」の意味・わかりやすい解説

ヘッピリムシ
へっぴりむし / 放屁虫

昆虫類のうち、臭い強烈なにおいを出す種類の俗称。ゴミムシ類とカメムシ類をさすことが多い。(1)ゴミムシ類 甲虫目ゴミムシ科に属するミイデラゴミムシやホソクビゴミムシ属の各種で、体に触れると腹端から白い霧状のガスを出すものをいう。(2)カメムシ類 半翅(はんし)目異翅亜目に属する昆虫で、幼虫は胸部背板の開孔部から、成虫は後胸腹板にある臭腺(しゅうせん)から悪臭のある液体を出すものが多い。指などにこのにおいの液体がつくと皮膚が黄変することがある。これらのにおい(ガスまたは液体)は防御の機能のほか、雄と雌の出会い、越冬時の集団形成の際にフェロモン誘引物質)の役目をもつ。

[林 正美]

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改訂新版 世界大百科事典 「ヘッピリムシ」の意味・わかりやすい解説

ヘッピリムシ

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のヘッピリムシの言及

【カメムシ(亀虫∥椿象)】より

… 日本での古名はホウまたはフウで,ホウズキという植物は〈ホウ〉がよくつくのでこの名がついたといわれる。若虫も成虫も臭腺開孔部から臭気の強い油状の液を分泌するので,俗にクサガメ,ヘクサムシ,ヘッピリムシなどと呼ばれる。若虫の臭腺は腹部背面に開孔しているが,成虫では後胸腹面に開孔する。…

【ミイデラゴミムシ】より

…成虫は夜間,地上を歩いて昆虫をはじめ,各種の小動物を捕食する。とらえると肛門からプッという音とともに刺激臭のある液体を霧状に噴射するのでヘッピリムシ,ヘコギムシとも呼ばれ,英名もbombardier beetleという。肛門近くの袋にヒドロキノンと過酸化水素を蓄え,危険にさらさせると,この二つの物質が混ぜ合わさり,発生したガスの爆発音とともにベンゾキノンという化学物質を噴射する。…

※「ヘッピリムシ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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