悪臭(読み)あくしゅう(英語表記)odor; stink

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

悪臭
あくしゅう
odor; stink

不快な臭い。 1971年に公布された悪臭防止法では,工場・事業場から事業活動に伴って排出される悪臭物質を規制しているが,いずれの物質も,ごく微量で不快に感じる。同法では各事業場の敷地境界における悪臭濃度の許容限度を悪臭物質ごとに定めており,各濃度をアンモニア (1~5ppm) ,メチルメルカプタン (0.002~0.01ppm) ,硫化水素 (0.02~0.2ppm) ,硫化メチル (0.01~0.2ppm) ,二硫化メチル (0.009~0.1ppm) ,トリメチルアミン (0.005~0.07ppm) ,アセトアルデヒド (0.05~0.5ppm) ,スチレン (0.4~2ppm) と設定している。発生源としてはパルプ製造,石油精製,魚腸骨処理,有機肥料製造,畜舎,ごみ処理などの事業がある。測定法としては,測定器による測定のほか,人間の嗅覚を利用する三点比較式臭袋法などが実用化されている。悪臭を除くには,燃焼,吸着,洗浄,酸化,マスキングなどの方法があり,一般には水または薬液で洗浄吸収するか,活性炭ゼオライトなどで吸着させる。炭化水素などは触媒を用いて燃焼させる。

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デジタル大辞泉の解説

あく‐しゅう〔‐シウ〕【悪臭】

不快感を催すようなにおい。嫌なにおい。「悪臭が漂う」「悪臭芬々(ふんぷん)」

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世界大百科事典 第2版の解説

あくしゅう【悪臭】

においは有香分子の嗅覚(きゆうかく)(嗅上皮)刺激の結果で生ずる知覚で,種類(質),強弱,快・不快ならびに嗜好は主観的であるが,通常の健康状態では感受性と応答には大差がない(嗅覚)。においの種類に関係なく,いやな,または不快なにおい知覚の生ずる現象が悪臭あるいは悪臭公害と呼ばれ,その原因物質が悪臭物質である。一般に悪臭は複合臭で,一過性,頻発などの特色をもつ大気汚染の前兆として,人々に極端な感情的反応を起こさせる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

悪臭
あくしゅう

におい(臭気)の記述は、主観を伴うし個人差も激しいのできわめてむずかしいが、いちおうのところ、においのうちで人間に不快感を与えるものを悪臭ということになっている。嗅覚(きゅうかく)には未解明の部分が多いので、何が悪臭の源かを定めるのもむずかしく諸説あるが、悪臭防止法では、アンモニア、メチルメルカプタン、硫化水素、硫化メチル、二硫化メチル、トリメチルアミン、アセトアルデヒドなど22種を特定悪臭物質としている。通常では、悪臭の元凶とされるインドールやスカトールなどは、きわめて低濃度に希釈すると非常によい芳香となり、このような事実からも、悪臭と芳香の間に明確な一線を引くことは困難である。[山崎 昶]
『日本化学会編『においの化学』(1976・日本化学会)』

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精選版 日本国語大辞典の解説

あく‐しゅう ‥シウ【悪臭】

〘名〙 いやなにおい。不快なにおい。〔落葉集(1598)〕
※思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉六「悪臭を穿ち、汚穢を潜り」 〔大学〕

わる‐くさ・い【悪臭】

〘形口〙 わるくさ・し 〘形ク〙 ひどく不快なにおいがする。悪臭がする。
※玉塵抄(1563)一三「鮑魚の魚の町えいけばきるものわるくさうなるぞ」
※銀の匙(1913‐15)〈中勘助〉後「どろどろしたわる臭い堀」

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