岩石学辞典 「ベールバッハ岩」の解説 ベールバッハ岩 ドイツのベールバッハ(Nieder Beerbach)に産出し,その成因については様々に考えられた.細粒の塩基性ホルンフェルスで全自形粒状組織を持ち,中性長石,輝石,鉄鉱物からなる岩石で,最初は斑糲岩アプライト(gabbroaplite)とされ,斑糲岩の中の塩基性岩脈として産出すると考えられた[Chelius : 1892].この際の岩石の記載は,斑糲岩的成分を有する煌斑岩で,主として亜灰長石─曹灰長石および透輝石よりなり,多少の紫蘇輝石,磁鉄鉱,稀に橄欖石を含む[渡辺編 : 1935].その後,捕獲岩として産出し,変成された塩基性堆積岩であると考えられた[Klemm : 1926].このようなベールバッハ岩(beerbachite), 輝石白粒岩(pyroxene-granulite), 斑糲玢(はんれいひん)岩(gabbroporphyrite), 斑糲岩ペグマタイト(gabbropegmatite)などの岩石は熱変成作用を受けた塩基性火成岩であると考えられた[MacGregor : 1931].ブロッサムは輝石角閃石白粒岩(pyroxene-hornblende granulite)について,接触変成作用を受けた熔岩とその外の塩基性火成岩であると考え,これらをベールバッハ岩とした[Bloxam : 1955]. 出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報