中性長石(読み)ちゅうせいちょうせき(英語表記)andesine

日本大百科全書(ニッポニカ) 「中性長石」の意味・わかりやすい解説

中性長石
ちゅうせいちょうせき
andesine

斜長石を6種に分類したときの変種名で、現在では曹長石として扱う。この鉱物外観から他の斜長石と識別できないが、産状である程度わかる。花崗斑(かこうはん)岩、玢(ひん)岩、石英閃緑(せんりょく)岩、閃緑岩流紋岩安山岩デイサイトなどを構成する鉱物として普通に産する。また、泥質岩起源のホルンフェルスや角閃岩相程度の広域変成岩中にも産する。英名アンデス山脈に由来するが、そこの安山岩を構成する主要な長石が中性長石である。

松原 聰]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「中性長石」の意味・わかりやすい解説

中性長石
ちゅうせいちょうせき
andesine

アンデシンともいう。斜長石の一種ナトリウムカルシウムをほぼ等量 ( Ab70An30~Ab50An50 ) 含む ( Ab は曹長石,An は灰長石) 。三斜晶系比重 2.65~2.68,硬度6~6.5。中性岩の主要構成鉱物の一つで,変成岩にも含まれる。

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世界大百科事典(旧版)内の中性長石の言及

【斜長石】より

…組成範囲によって次のような名が与えられている。Ab100An0~Ab90An10=アルバイトalbite(曹長石),Ab90An10~Ab70An30=オリゴクレースoligoclase(灰曹長石),Ab70An30~Ab50An50=アンデシンandesine(中性長石),Ab50An50~Ab30An70=ラブラドライトlabradorite(曹灰長石),Ab30An70~Ab10An90=バイトウナイトbytownite(亜灰長石),Ab10An90~Ab0An100=アノーサイトanorthite(灰長石)。斜長石は,火成岩をはじめ変成岩,堆積岩に広く産する。…

※「中性長石」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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