改訂新版 世界大百科事典 「ペップ」の意味・わかりやすい解説
ペップ
Cesar de Paepe
生没年:1842-90
ベルギーの社会主義者。オーステンデ生れ。19世紀中葉のベルギーでは工場労働者の増加,経済危機,フランスの二月革命の影響などにより,労働者階級の解放をめざす政治的・社会的運動が活発になった。ペップは1858年〈フランドル人前進せよ〉〈連帯〉などの政治団体に加わり,さらに同志とともに〈人民党〉(1860),〈ブラバント社会党〉(1877),〈ベルギー労働党〉(1885)を結成した。また《人民》《労働者》《労働者の声》などの新聞に協力し,社会主義思想の普及と社会主義運動の指導に尽くした。第一インターナショナル設立に刺激されて各地に設けられた支部をまとめてベルギー連合を結成し(1867),第一インターの大会(1868,69,74)において報告を行い,土地,生産手段の共有を主張した。
執筆者:栗原 福也
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報