ペリ環状反応(読み)ペリカンジョウハンノウ

化学辞典 第2版 「ペリ環状反応」の解説

ペリ環状反応
ペリカンジョウハンノウ
pericyclic reaction

環状に連なったすべての原子上で協奏的に結合の組換えが起こる反応付加環化環状電子反応シグマトロピー転位などを包括する名称である.いずれも,反応に関与する全電子数が4n+2個か,4nかによって立体化学が支配される.これら反応過程を説明する理論として,ウッドワード-ホフマン則やZimmerman則,福井理論などが提案されている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のペリ環状反応の言及

【有機化学反応】より

…起こりうる諸反応の一部を示す。 移動 Cl・+CH4―→HCl+CH3・     CH3・+Cl2―→CH3Cl+Cl・     Cl・+CH3Cl―→CH2Cl・+HCl     CH2Cl・+Cl2―→CH2Cl2+Cl・ 停止 CH3・+Cl・―→CH3Cl     CH3・+CH3・―→CH3CH3  ……(30) 
【ペリ環状反応】
 イオン反応,ラジカル反応のどちらにも属さない,特徴的なペリ環状反応pericyclic reaction(電子環状反応ともいう)と呼ばれる反応の一群がある。この反応では反応物の分子軌道どうしが相互作用して閉じたループをつくり,このループの中で電子対が再配列して結合の切断,生成が起こる。…

※「ペリ環状反応」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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