ペルシア神話(読み)ペルシアしんわ(その他表記)Persian myths

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ペルシア神話」の意味・わかりやすい解説

ペルシア神話
ペルシアしんわ
Persian myths

前 1000年頃からザグロス山脈に沿って現在のイラン,特にそのファルス地方へ南ロシアから南下してきたと推定されるインド=アーリア系の民族が伝えた神話。もともとインド神話と近く,バルナ,ミトラ,インドラ,ナーサティヤ,バーユ,アリアマンなど,『リグ・ベーダ』にも登場する神々や,インドのサラスバティー女神と酷似した大女神アナーヒターなどが神界の主役の地位を占めていたが,前6世紀頃ゾロアスターによる宗教改革によって光と善の神アフラ・マズダと悪神アーリマンとの善悪二元論的神観が導入され,その結果,古い神々は天使や悪魔に変化させられた。しかし,多神教的神話は民衆のなかに生き,ゾロアスター教自体も次第に多神教的となって,ミトラ,バーユ,アナーヒターなどの神々の崇拝は復活した。

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