アフラマズダ(英語表記)Ahura Mazdā

精選版 日本国語大辞典 「アフラマズダ」の意味・読み・例文・類語

アフラ‐マズダ

  1. ( Ahura Mazda ) ゾロアスター教主神現世未来を創造し、光明、善の神として全宇宙を支配する。悪神アーリマンとの抗争結果勝利して新しい世界をもたらすとされる。

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改訂新版 世界大百科事典 「アフラマズダ」の意味・わかりやすい解説

アフラ・マズダ
Ahura Mazdā

ゾロアスター教の主神。〈英智(マズダー)の主(アフラ)〉の意。ゾロアスター自身の教えでは創造神,最高神であったが,ササン朝期の二元論的教義においては,悪と暗黒の邪神アフリマンAhrimanと対立する,善と光明の神と位置づけられるようになった(当時はオフルマズド発音)。その神像王冠をいただいた,飛翔する有翼人物として表現されており,ビストゥンペルセポリスなどの遺跡にその例が見られる。
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百科事典マイペディア 「アフラマズダ」の意味・わかりやすい解説

アフラ・マズダ

ゾロアスター教の主神。中世語形でオフルマズドOhrmazd。元来至高の創造神で,のち悪神アフリマンに対する善と光の神。アフラは〈主〉,マズダは〈知恵〉を意味し,神像は王冠をいただく有翼の人間像
→関連項目ゾロアスター教ミトラ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アフラマズダ」の意味・わかりやすい解説

アフラ・マズダ
Ahura Mazdāh

ゾロアスター教の最高神。アフラは神,マズダは知恵を意味する。すでに,前6世紀頃の碑文にその名がみえる。悪神アーリマンに対する善神前者は暗黒を後者は光明を表わす。天上の光に満ちたところに住み,神聖な教義や知恵の源として崇拝された。ゾロアスターは,この神を全生命の創造者と呼ぶ。双子の精霊スペンタ・マインユとアングラ・マインユをつくり,像は王冠をかぶった有翼の人間の形をとる。前4世紀までイランでの崇拝の中心だったが,イスラム侵入後次第に後退した。

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旺文社世界史事典 三訂版 「アフラマズダ」の解説

アフラ=マズダ
Ahura Mazda

ゾロアスター教の善神で全知全能の最高神
光・光明・火などをもって象徴され,悪神アーリマンと闘争して最後に勝利を得るといわれる。アフラは神,マズダは智恵の意。王冠をかぶり,翼をもった人間の姿をとる。

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世界大百科事典(旧版)内のアフラマズダの言及

【アケメネス朝美術】より

…これらの彫刻にも建築と同じく,既存の諸美術の影響が顕著である。浮彫や丸彫については,アッシリアの浅浮彫や丸彫の様式や図像に影響され,人物,動物,神像(アフラ・マズダ)は外観が克明に描写されている。その描写は様式化されているが,基本的には写実性がある。…

【阿修羅】より

…サンスクリットのアスラasuraの写音。アーリヤ人のインド・イラン共通の時代にはアスラとデーバdevaはともに神を意味したが,彼らが分かれて定住してからは,インドではアスラが悪神を,デーバが善神を意味するようになり,イランではアスラはゾロアスター教の主神アフラ・マズダとなった。インドではaを否定辞とみなし,〈非天〉〈非酒〉などの語源解釈をおこなった。…

【イラン神話】より

…ミスラ/ミトラと,《リグ・ベーダ》でこの神と1対をなすバルナがこの神群を代表する神である。ゾロアスター教の主神アフラ・マズダは,このバルナ神と同一起源のものであると推定される。インドでは,アフラ/アスラ神群が,仏教の阿修羅(アスラ)が示すように,悪神となったのに反して,イラン側ではまったく逆に,ダエーバ/デーバがすでにゾロアスター自身の教説において悪神とされている。…

【インド神話】より

…アスラは《リグ・ベーダ》においては,必ずしも悪い意味で用いられなかったが,しだいに神々に敵対する悪魔を指すようになった。しかるに,イランにおいては,アスラに対応するアフラがゾロアスター教の最高神(アフラ・マズダ)となり,デーバに対応するダエーバが悪魔の地位に落とされた。 インドラに次いで重要な神はバルナ(水天)である。…

【ゾロアスター教】より

…ゾロアスターZoroasterがイラン北東部で創唱した宗教。その主神アフラ・マズダの名を採って〈マズダ教〉,またその聖火を護持する儀礼の特質によって〈拝火教〉ともよばれる。中国においては,祆(けん)教の名で知られた。…

【火】より

…一方,両者を統合する寓意として,火に焼かれたのち灰から再生するフェニックスの伝説が成立し,試練と再生の象徴ともなっている。火を重要視したゾロアスター教では,人間と雄牛を生む源となった聖火は,同時に光明神アフラ・マズダがこの世に君臨していることの証左として神殿で燃やし続けられた。インドでも火は地上に降りた天界の元素とみなされ,祭礼には聖火がたかれた。…

※「アフラマズダ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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