日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボニング」の意味・わかりやすい解説
ボニング
ぼにんぐ
Richard Bonynge
(1930― )
オーストラリアの指揮者。生地シドニー、ついでロンドンでピアノを学ぶ。1954年同郷のソプラノ歌手ジョーン・サザランドと結婚、ベルカント・オペラの研究と再興に熱中し、ついにサザランドを世界のプリマドンナに育て上げた。62年ローマのサンタ・チェチーリア音楽院管弦楽団を指揮してデビュー、以後ロンドンのコベント・ガーデン王立歌劇場、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場など各地で活躍、74~78年バンクーバー・オペラ音楽監督、75~86年シドニー歌劇場音楽監督を務める。主演歌手最優先の古いタイプのオペラ指揮者だが、いわゆるベルカント・オペラの専門家としてオペラ界に一石を投じた役割は小さくない。19世紀のオペラとバレエを主たるレパートリーとする。75年(昭和50)メトロポリタン・オペラの指揮者として初来日。
[岩井宏之]