ボルゲーゼ家(読み)ボルゲーゼけ(英語表記)Borghese

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボルゲーゼ家」の意味・わかりやすい解説

ボルゲーゼ家
ボルゲーゼけ
Borghese

イタリア,シエナ出身のローマ貴族の家系。 13世紀以来外交官,法学者を輩出してシエナで著名となり,16世紀のマルカントニオ (1504~74) の代にローマに移住。その子カミッロ (52~1621) が教皇 (パウルス5世〈在位 05~21〉) に選ばれてから急速に家系の隆盛をみ,甥スキピオーネ (1576~1633) を枢機卿任命。彼は教皇庁要職を占めるかたわら,芸術家を保護し,また絵画,彫刻のコレクションに努めた。カミッロのもう1人の甥マルカントニオ2世 (1598~1658) はスペイン王フェリペ3世からスルモナ侯の称号を与えられ,またローマの名門貴族オルシニ家の娘と結婚して広大な領地を得た。マルカントニオ3世 (60~1729) はナポリ副王の地位を得,マルカントニオ4世 (30~1809) は美術愛好者として知られ,その子カミッロ (1775~1832) はナポレオン1世の妹ポーリーヌと結婚してナポレオン体制下でピエモンテ総督となった。なおボルゲーゼ家の美術品コレクションは現在ローマのボルゲーゼ美術館で公開されている。

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