改訂新版 世界大百科事典 「ボース平野」の意味・わかりやすい解説
ボース平野 (ボースへいや)
Plaine de Beauce de
フランス中北部,パリ盆地南部,オルレアネ地方の平野。新生代古第三紀のボース石灰岩が露出するケスタ平野で,北に向かってゆるやかに傾く平たんな台地面からなり,北側のセーヌ川水系と南側のロアール川水系とを分ける。台地面の標高は150m程度で,西は標高300m足らずのペルシュ丘陵によってノルマンディーと境され,東はフォンテンブローの森を経てブリ台地に連なる。東西の幅は約80km,南北の幅は約60kmである。台地(平野)面は北側からセーヌ川の支流によって刻まれているが,なお広い平たん面を残している。典型的な小麦,テンサイの大規模単作地帯で,〈フランスの穀倉〉とよばれる。集落は乾燥する台地面上を避けて,台地面を刻む谷の中につくられることが多い。北西端にあるシャルトルはセーヌ川支流のユール川に刻まれた浅い谷の中に位置し,大聖堂で名高い。オルレアネ地方の中心都市オルレアンも,ロアール河谷の中にある。
執筆者:小野 有五
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報