小野(読み)オノ

デジタル大辞泉の解説

お‐の〔を‐〕【小野】

《「お」は接頭語》野。野原。
「さねさし相摸(さがむ)の―に」〈・中・歌謡〉

おの【小野】[地名]

京都市左京区高野から八瀬(やせ)大原にかけた一帯古称。小野当岑の所領地で、惟喬(これたか)親王が幽居した所。
京都市山科(やましな)区の地名。真言宗の随心院がある。小野小町の出身地と伝える。
兵庫県中南部の市。加古川中流にある。もと一柳氏の城下町。はさみ・鎌(かま)などの刃物、そろばんの産地。人口5.0万(2010)。

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世界大百科事典 第2版の解説

おの【小野】

地名。〈小野〉という地名は全国に散在している。それは元来普通名詞〈野〉に接頭語〈小〉がついたもので,野と同義であったが,やがて固有名詞に転じて定着したものと考えられる。そのほか,古代の小野氏の占有地をも〈小野〉と称した。《万葉集》にあらわれる〈小野〉をすべて普通名詞とする説もあるが,これは疑問と言うべきで,判別しがたいものがある。固有名詞として文学上顕著な小野に,山城国の2ヵ所がある。(1)《和名抄》に記す山城国愛宕(おたぎ)郡の小野郷は現在の京都市左京区上高野,修学院,一乗寺とその付近の地域である。

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大辞林 第三版の解説

おの【小野】

〔「お」は接頭語〕
野。野原。 「萩が花ちるらむ-のつゆじもに/古今 秋上

おの【小野】

京都市山科区小野。勧修寺・小栗栖の一帯をいう。小野小町の伝説が多く、真言宗小野流の本山随心院には小町宅跡がある。
京都市左京区八瀬・大原の一帯、旧小野郷をいう。「伊勢物語」第八三段、「源氏物語」夕霧と手習の巻以降の舞台。⦅歌枕⦆
滋賀県彦根市鳥居本町の古名。旧宿駅。
兵庫県中南部、加古川中流域の市。算盤そろばんと家庭用刃物の生産で有名。播州高野こうやで知られた真言宗の浄土寺がある。

おの【小野】

姓氏の一。古代の豪族。近江国滋賀郡小野村からおこるとされ、山城国愛宕郡小野郷・宇治郡小野郷にも勢力をもった。小野神社は小野氏の氏神で、平安時代は学者・歌人・書家などを輩出。

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日本の地名がわかる事典の解説

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

小野
おの

京都市東部、山科(やましな)区最南部の地区。南は伏見(ふしみ)区の醍醐(だいご)に接する。『和名抄(わみょうしょう)』に「小野郷」と記され、歌枕(うたまくら)の「をのの里」にあたるといわれる。山科川に沿って大津街道が通ずる。国の史跡としては、平安中期に仁海(にんかい)僧正が創建したと伝える曼荼羅寺(まんだらじ)の塔頭(たっちゅう)であった随心院(ずいしんいん)(真言宗善通寺派の門跡(もんぜき)寺)がある。本堂は桃山時代末期の再建。境内に小町(こまち)化粧井戸など小野小町宅跡という伝承があるが、小野の地名からのちに付会されたのであろう。随心院の西には900年(昌泰3)醍醐(だいご)天皇建立の勧修寺(かじゅうじ)がある。国の重要文化財の書院は江戸初期の建造で、回遊式の名園を有する。寺の北西を名神高速道路が走る。また、市営地下鉄東西線小野駅がある。[織田武雄]

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精選版 日本国語大辞典の解説

お‐ぬ を‥【小野】

〘名〙 (現在、「の」の甲類の万葉仮名とされている「怒・努・弩」などを「ぬ」と読んだところからできた語。「お」は接頭語) =おの(小野)(一)

お‐の を‥【小野】

[1] 〘名〙 (「お」は接頭語) 野。野原。おぬ。
※古事記(712)中・歌謡「さねさし 相摸の袁怒(ヲノ)に 燃ゆる火の 火中に立ちて 問ひし君はも」
[2]
[一] 京都市山科区南端の地名中世には小野郷。真言宗善通寺派(もと小野派本山)随心院(小野門跡)、醍醐天皇妃藤原胤子の小野陵がある。
※拾遺(1005‐07頃か)雑秋・一一四四「み山木を朝な夕なにこりつめて寒さをこふるをのの炭焼〈曾禰好忠〉」
[二] 京都市左京区八瀬、大原一帯の古名。小野朝臣当岑が居住し、惟喬(これたか)親王が閉居した所。
伊勢物語(10C前)八三「睦月にをがみ奉らむとて、小野にまうでたるに、比叡の山の麓なれば、雪いと高し」
[三] 滋賀県彦根市の地名。中世の鎌倉街道の宿駅で、上代には鳥籠(とこ)駅があった。小野小町の出生地と伝えられる。
義経記(室町中か)二「をのの摺針(すりばり)打ち過ぎて、番場、醒井(さめがい)過ぎければ」
[四] 兵庫県中南部、加古川中流域の地名。小野氏一万石の旧城下町。特産品に鎌、はさみ、そろばんなどがある。昭和二九年(一九五四)市制。

おの をの【小野】

姓氏の一つ。

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