日本大百科全書(ニッポニカ) 「ポイエルバハ」の意味・わかりやすい解説
ポイエルバハ
ぽいえるばは
Georg Peuerbach
(1423―1461)
オーストリアの天文学者。別名PeurbachまたPurbach、ポイエルバッハ、プールバッハともいう。ウィーン大学に学び、1448~1453年ヨーロッパ各地を遊学し、哲学者ニコラウス・クザーヌスにも師事した。母校の数学および天文学教授に就任、のちにフリードリヒ3世Friedrich Ⅲ(1415―1493)の皇帝付天文学者兼占星術者を務めた。弟子にレギオモンタヌスがおり、彼が遺業を継ぎ、遺稿『惑星の新理論』『日月食表』を没後に公刊。天体位置予定表として当時もっとも典拠とされていた『アルフォンソ表』を改訂。またローマ教皇庁の委嘱により『アルマゲスト』についてアラビア語版でなく、ギリシア語原典に基づいての調査を手がけ、その途中で病没。ルネサンス期にギリシア天文学を復興させた。
[島村福太郎]