化学辞典 第2版 「ポリスルフィド」の解説
ポリスルフィド
ポリスルフィド
polysulfide
多硫化物ともいう.の一般式で表される重合体の総称.両端にハロゲン基を有する有機化合物と多硫化アルカリの反応,アルカンジチオールの酸化,ジオレフィンとアルカンジチオールの反応,含硫黄環状化合物の開環重合,などの方法でつくられる.構造と重合度によって,液状,軟らかいゴム状,硬いゴム状などがあり,大部分は多硫化系合成ゴムとして使用されている.これらのゴムはほかのゴムに比べて耐溶剤性,耐油性,耐オゾン性にすぐれており,また気体の透過性も小さいが,物理的性質が少し劣り,かつ加工に際して悪臭を発生するのが欠点である.主として耐油性のゴム製品,または耐候性を利用したシーリング剤などに用いられる.p-ジクロロベンゼンと硫化ナトリウムから得られるポリ(フェニレンスルフィド)は,すぐれた耐熱性,耐薬品性を生かしたスーパーエンジニアリングプラスチックの一つとして生産されている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報