ポリ塩化ビニル系合成繊維(読み)ポリえんかビニルけいごうせいせんい(その他表記)polyvinyl chloride synthetic fibre

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ポリ塩化ビニル系合成繊維
ポリえんかビニルけいごうせいせんい
polyvinyl chloride synthetic fibre

ポリ塩化ビニルを主原料として紡糸した繊維。 1938年ドイツで PC (ペーツェー) ,50年フランスでロービル,サーモビルが発表され,日本では 54~56年にフィラメント糸としてテビロン,ビクロン,エンビロンなどの生産が開始された。ポリ塩化ビニルをアセトンベンゼン,あるいはアセトン,二硫化炭素で溶解して乾式紡糸する。また繊度の大きいモノフィラメントは,ポリ塩化ビニルを溶融押出し紡糸してつくる。比重羊毛に近く軽いが,吸水性はない。よごれにくく,耐薬品性,保温性,不燃性,電気絶縁性をもつが,染色困難で,熱には弱い。ふとん綿,漁網漁具,ろ布,電気被覆などに用いられる。

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