ポーランド近代美術(読み)ポーランドきんだいびじゅつ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ポーランド近代美術」の意味・わかりやすい解説

ポーランド近代美術
ポーランドきんだいびじゅつ

ポーランドの近代美術は 19世紀後半,西ヨーロッパの象徴主義やアール・ヌーボーの影響を受けた画家たちの「若きポーランド」の動向に始る。 1918年に独立を達成すると,美術家たちはそれまでの愛国主義から自由になり,キュビスムや表現主義などの影響を受入れながら,新しい形式の展開を始めた。その先駆者として位置づけられるのが S.I.ウィトキェーウィチである。同じ表現主義の流れをくむ画家として B.シュルツがあげられる。 1920年代に入ると,抽象美術の運動が活発化し,「ブロク」,「プレザンス」,「a.r.」などのグループが相次いで誕生した。これらのグループの中心になったのが W.スチュシェミンスキで,ほかにコブロ,H.スタジェウスキらが知られる。第2次世界大戦後は他の社会主義国にさきがけて 60年代から非リアリズムの動向を展開した。これは戦前と同様,表現主義的動向と抽象的動向に大別され,前者では T.カントール,T.ブゾゾウスキ,後者では Z.ガストムスキ,R.オパウカらがあげられる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android